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数字で表す。遭難呼出しの場合の情報は、遭難の種類、遭難位置、時刻及び引き続く送信の形式で、その他の呼出しでは、送信電波の型式や種類及び送信のチャンネル又は周波数の指定(DSCのあとの通信は別のチャンネル又は、周波数が使用される。)がなされる。
遭難呼出しの場合、その送出は一挙動であるが、遭難の種類は手動で入力しなければならない。遭難の種類は1文字で、コードは、火災・爆発(100)、浸力(101)、衝突(102)、座礁(103)、転覆の危険のある傾斜(104)、沈没(105)、操船不能と漂流(106)、その他の遭難(107)、船体の放棄(108)、EPIRBの発射(112)である。遭難位置の座標(5文字すなわち10桁の数字)も手動入力をするが、航法装置からの自動入力も可能である。一番初めの数字は緯度・経度0度を中心に地球を4区画に分けて船位がどの象限にあるかを、北東象限(0)、北西象限(1)、南東象限(2)、南西象限(3)でまず表し、緯度・経度の後にNSEWを付さないですむようにしている。その後の4数字が緯度の度と分、5数字が経度の度と分で、この遭難座標が入らないときは自動的に9が10桁並。次の時刻(2文字・4桁の数字)は遭難座標を決めた時刻で、協定世界時(UlC)の時2桁と分2桁で、その入力がないと自動的に8が四つ並ぶ。情報の4番目は、その後の通信の形式を遭難局が電話を希望するか、テレプリンタにするかを指定する1文字の信号である。そして、終了信号(127)と誤り点検文字(ECC、1文字)が続いて、全呼出しシーケンスが終わるが、終了信号は図2・70Hのように4回送出される。その他の主な呼出しの構成の内容の概要は、妻2・4に示す。
DSCには、GMDSSでその装備を要求されている船舶に装備されているクラスAと呼ばれる装置の他に、VHF及びMF、又はその何れか一方を装備する小形船用に装備できて、最小限の機能をもったクラスBとがある。その他船舶の識別のみを送信してDSCの警報を行うためにVHF設備に付加されるクラスCの3種類がある。
CCIRのもう一つの勧告である運用手順は、DSCを備えた局の機能を勧告するとともに、このDSCの装置を使う手順を、遭難・安全呼出しとそれら以外の呼出しについて述べたものである。機能については、呼出しの種類と各シーケンスの手動入力、その確認と修正、遭難・安全呼出し及びその他の呼出しを受信したときの可視・可聴警報と呼出し内容の可視表示器の必要性などが勧告されている。遭難・安全呼出しとその受信時の手順を要約すると次のようになる。

 

 

 

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